こね・たたき
パン作りの工程の中でも、最も重要だといわれているのが「こね・たたき」の工程です。
この工程でうまく生地を仕上げられていないと、うまく生地が発酵せずに焼き上がりにも影響が出てしまいます。
上手にパンを焼き上げるために必要な、「こね・たたき」のポイントをご紹介します。

生地の硬さを均一に
こね・たたきは生地の中のグルテンを形成するために行います。
グルテンの強さは仕上げるパンの種類によって異なります。
弾力の強いパンには、グルテンをしっかりと形成する必要がありますし、歯切れのよいパンでは、そこまでのグルテンは必要ありません。
生地をまとめるだけではなく、全体の硬さを均一にすることを常に意識しながらこねていきましょう。
たくさん生地を動かして
「たたく」という工程はその名の通り、生地を台にたたきつけるのですが、力任せにたたきつけるのではありません。
たたく工程の目的は、生地を効率よくたくさん動かして、グルテンに外からの刺激をたくさん与えてあげることです。
生地を広く大きく動かすようにたたきましょう。
台へこすりつけるときのポイント
パン生地はたたく前に台へこすり付けます。
この工程には、グルテンと水をしっかり結びつけるために重要な役割があります。
台にこすりつけることで、生地の粉っぽさをなくし、粘りが出るようにしましょう。
しっかりと粘りが出てきてから生地をたたくことで、よいグルテンを生み出すことができます。
<こすり付けるときのポイント>
- 手のひら全体で
- 大きく上下に
生地は残らずきれいにそぎ取る
パン生地はボウルや台・手のひらなど、あらゆる場所にくっつきます。
こね・たたきを行っている間は、それらのパン生地も時折そぎ取ってまとめましょう。
そぎ取らずに残しておくと、配合が変わってしまい、仕上がりに影響が出ます。
生地に合わせたこね方
作るパンの種類によって生地の硬さは全く異なります。
生地の硬さに応じて手の動きを変え、こねあげることが重要です。
以下のポイントを参考にしましょう。
<生地が柔らかい時>菓子パン・バターロールなど
こね始めは生地が非常にべたつきます。
打ち粉をしなくても生地がまとまるまで根気よくこね続けましょう。
- 生地を両手で横から挟むようにして指先だけで持ち上げる。
- 生地を台にたたいた後は残りの生地をかぶせる。
- 指先を生地の横側から抜く。
<生地が硬い時>ベーグルなど
生地があまり伸びませんので、押すようにしてこねましょう。
台から持ち上げなくてもよいので、台の上で動かすようにします。
- 生地を二つ折りにして合わせ目を手でしっかり押す。
- 合わせ目をつぶすように生地を奥に押す。