Lesson5-5 中国・インドのパン

中国のパン

中国では白い蒸しパンが基本となっています。
油の多い中華料理とも相性が良く、食事と一緒に食されています。

饅頭(マントウ)

中国の北部では小麦粉を使用した麺類や饅頭が主食とされています。
ふわふわの蒸したてマントウは中身は何も入っていません。
日本では、中身の入った中華まんじゅうが主流ですが、中国ではこの何も入っていないマントウが良く食されています。

小麦粉・パン酵母・水をメインとして作るシンプルな味は、濃厚な中華料理によく合います。
おかずとともに主食として米のように食されています。

小麦粉を「蒸す」という製法は東洋ならではのもので、欧米諸国ではなじみがありません。
蒸したてのマントウはふかふかですが、時間が経つと表面が硬くなって乾燥してしまいます。

中華饅頭

日本で中国の饅頭といえば、一般的にこの形のものを指します。
対して中国では、中身の入った饅頭のことを「包子(パオズ)」と呼びます。

中身のバリエーションはさまざまで、肉や野菜、あんこなど様々な種類のものがあります。
蒸したてが1番の食べごろで、冷めてしまった場合には電子レンジで温めなおすと、またおいしく食べることができます。

花巻(ホワチュアン)

生地はマントウと同じものからできていますが、形が違います。
マントウの生地を薄くのばし、くるくると巻いてから程よい大きさにカットします。
生地の中にはなつめや干しブドウ、ネギなどが入れられます。

インドのパン

インドのパンは、加熱方法使用する材料によってさまざまな種類があります。
国土の面積が広いため、北部ではナンなどの小麦粉で出来たパン、南部では豆や米粉・全粒粉を使ったものなど、地域によって様々なパンが食べられています。
しかし、スパイシーなインド料理にはパンが必要不可欠であることには違いはありません。

ナン

インドのパンといえばナン。
日本のカレー屋でもポピュラーに楽しまれています。
インドだけでなく、周辺諸国でもよく食されています。

ナンは焼き方が特徴的で、成形した生地をタンドール窯の内側に張り付けて焼きます。
インドではこのタンドール窯が自宅にあるというところもあるそうです。

食感はしっとりモチモチとしていてほのかに甘みがあります。
生地が薄い周囲の部分は、こんがりパリッとした食感が楽しめます。
スパイシーなインドカレーとは味の相性がぴったりで、お皿のカレーをぬぐってきれいに食べるのにも役立ちます。

チャパティ

インドで言う白飯のような存在のチャパティ。
日常的に主食として食べられています。

インドでは「アタ」と呼ばれる小麦粉の全粒粉と水でこねた生地を、タワという鉄板で焼いて作ります。
手でちぎりながら料理と一緒に食べる方法が一般的です。

バトゥーラ

ナンと同じ生地を丸く成形し、油で揚げたものがバトゥーラです。
インド北部の朝食として良く食されています。

伝統的な揚げパンで、食べるとじゅわーっと油が染み出します。
カレーの中でも特にひよこ豆のカレーと相性が良いとされていて、インドの料理店ではセットになって出てくることも多いようです。

冷めると脂っこさが際立つので、揚げたてを食べるのがオススメです。