Lesson4-2 パンの製法②

発酵種法(サワー種法)

ライ麦パンを作るために考え出された製法。
ライ麦粉と水を練り合わせて数日熟成させた、サワー種を酵母として使用します。

ライ麦粉はそれだけでは膨らみませんが、サワー種を混ぜることで、風味豊かでふんわりとしたパンに仕上がります。

長所

  • 風味が良くなる
  • 保存力が上がり、硬化しづらい

短所

  • サワー種の仕上がりが安定しない
  • 時間がかかる

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老麺法

前日のパン生地を使用する製法。
十分に発酵させた前日のパン生地を使用しながら、新しい生地を作ります。(老麺)
老麺のパン酵母は活性度が落ちているので、新しい生地に10~30%ほど混ぜて使うことが多い。

独特の酸味が強くなるので、仕上がりはパン酵母の特徴が際立つパンになります。

長所

  • 酸味と甘みが引き出される
  • 余った生地を再利用できる
  • 発酵力が安定する

短所

  • 時間を多く要する
  • 保存期間は約3日で、日にちが経つごとに酸味が増していく

アンザッツ法

副材料を混ぜて、リッチなパンを作りたいときにオススメの製法です。
まず、小麦粉・水・酵母を混ぜ合わせて40分ほど置きます。
その後、砂糖やバターなどの副材料を混ぜ合わせます。

シュトーレンやドーナツなどによく用いられる。

長所

  • 発酵時間が短時間で済む
  • 比較的簡単にパン作りを楽しむことができる

ノータイム法

その名の通り、時間を短縮して作る製法。
イギリス発祥のやり方では、イーストや発酵種を使わずに、化学膨張剤を使ってビスケットのようなパンを焼き上げます。
アメリカ発祥のやり方では、ノータイムといえども生地を少し発酵させます。

工程は、ストレート法と同じです。

長所

  • 短時間でパンが作られる

短所

  • 化学添加物を多く使用するため、味の調整が困難
  • 小さなベーカリーや個人で作るのは難しい

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冷蔵長時間発酵法(オーバーナイト法)

生地を冷蔵庫で10~15時間発酵させる製法。
折り込み生地やリッチな配合の生地に適しています。

折り込み生地は、生地に油脂を練りこむ際に、生地と油脂の硬さを同じにするために冷やす必要があります。
また、リッチな配合の生地には卵や砂糖・油脂を多く含むため、パンのべたつきが生じないよう、生地を冷やす必要があります。

長所

  • 伸展性の優れたグルテンができる
  • 風味のコントロールがしやすい

短所

  • 生地を寝かせる時間が長すぎると、風味を大きく損なう
  • 時間がかかる