Lesson14-1 パンコラム①

最後に、パンにまつわるちょっとしたコラムをいくつかご紹介します。

今まで学んできた知識に合わせて役立つ内容になっていますので、参考にしてくださいね。

 

パンの栄養価

パンにはどのような栄養が含まれているかご存知ですか?

おそらく一般的に、炭水化物であるパンの栄養価は低いと思われているでしょう。
しかし実は、他の炭水化物である米や麺類に比べると、パンの栄養価は高くなっているのです。

パンには、炭水化物(糖質)・たんぱく質・ビタミン類、カルシウム・鉄などのミネラルが豊富に含まれています。

また、パンはカルシウム源である牛乳や乳製品、たんぱく源である肉類・魚類との相性がとても良いため、食べ合わせでバランスのとれた食事をすることが可能です。

さらに栄養価の高いパンとしては全粒粉のパンがあります。
全粒粉のパンは、小麦を丸ごと挽いて作っているため、普通の小麦粉で焼いたパンに比べ、非常に栄養価が高くなっています。

具体的には、食物繊維やビタミン類、ミネラル類、ポリフェノールが豊富で、美容と健康にはぴったりの食材だといえます。
また、全粒粉のパンは噛み応えのあるものが多いため、少量で満腹感を得ることができ、ダイエットにも向いています。

パンのカビ

パンは放っておくとすぐにカビが生えてしまいますよね。
パンに生えるカビの代表格は、藻菌類のクモノスカビや子のう菌類の赤パンカビ・青カビという種類のものです。
これらには人間にとって、有害なものと無害なものが存在します。

パンの水分保有量は平均で20~40%、水分活性は0.9~0.95とどちらも数値が高く、カビにとっては絶好の繁殖地といえる環境なのです。

パンの表面クラストは、パリッとしており水分をほとんど含みません。ですので、初めのうちはパンにはカビは生えないようになっています。
しかし、焼き上げから日がたつにつれて、中身のクラム部分の水分が徐々にクラストに浸透していきます。
これによって、パンの表面にもカビの繁殖地として最適な環境が出来上がり、全体的にカビが生えやすくなってしまうのです。

では、どのようにすればパンに生えるカビを阻止することができるのでしょうか。

まずはパンに細菌類が付くのを防ぐことが重要です。
そのためには、衛生管理を徹底しましょう。

自宅でパンを焼いた際には、オーブンから出した後の衛生管理がポイントです。
オーブンの中は無菌状態といえますので、カビが生えるということはその後の工程において菌がついてしまっていると考えられます。

基本的なことですが、使用する道具は毎回良く洗って乾燥させ、お金や他の物を触った手ではパンに触れないようにしましょう。

パンのマナー

パンの食べ方にはマナーがあります。
主食が米の日本人にとっては、なかなかなじみの薄いものですが、特にコース料理においてマナーが様々ありますので、身につけておくとよいでしょう。

パンの選び方

コース料理の際に、パンをかごにいくつか入れて運んできてくれることがあります。
このような場合、すぐにはパンをとらずに、必ずパンの説明を聞いてから選ぶようにしましょう。
また、追加のパンは聞いてくれることがほとんどですので、一度にたくさん選ぶのはあまり好ましくありません。

パンの食べる順序

コース料理では基本的にスープが終わってから食べるようにしましょう。
その後はパンだけで食べずに、料理と一緒に食べ進めるのがマナーです。
デザートのタイミングまでにバランスよく食べ終えましょう。

パンの食べ方

基本的には手で食べるのがマナーです。
一口大くらいに小さくちぎって食べるようにしましょう。
さらに以下の点に気を付けましょう。

  • パンくずをお皿にできるだけ落とさない。
  • 硬いパンは一口目のカットにナイフを使用してもよい。
  • パンのちぎった面は自分のほうへ向ける。
  • バターナイフの刃は自分のほうへ向けて置く。
  • バターは食べる都度、ちぎった面に一口サイズでつける。

特にマナー違反となる行為は以下の通りです。

  • パンを無理に噛みちぎる。
  • パンくずを拾う、食べる。
  • スープにパンを浸す。
  • はじめにバターをパン一面に塗る。

これらに気を付けて、上品なパンの食べ方を身につけると一目置かれること間違いなしですよ。