Lesson13-5 パン屋の開業準備②

商品計画

パン屋の開業において、どういった商品を売り出すかという商品計画は非常に重要な要素です。

大手製パン会社は大量生産の技術を駆使し、コンビニエンスストアやスーパーマーケットに安価で多種類のパンを売り出しています。
個人店舗のパン屋は、それらにどうすれば打ち勝つことができるのでしょうか?

その答えは、「オンリーワンのパンを作る」ということにあります。
同じ品質のものであれば、安いほうを買うのは顧客心理として当然です。
個人店舗のパン屋にとって大切なことは、個人でしか作りえないようなパンを売り出すことなのです。

そもそも大手製パン会社とは製造過程や物流経路が全く異なりますので、同じ手法で戦っていてはいけません。

自分の店でしか作れない、オリジナルのパンを開発することが非常に重要なポイントなのです。

個人店舗のパン屋では、品ぞろえ数が約100前後であることが多いといわれています。
この品ぞろえは多ければ多いほど良いというわけではありません。
お客様を満足させることは重要ですが、品ぞろえが多ければ多いほど、ロスは増え、そろえるべき材料も多種類になってしまいます。

適正な品ぞろえを見極め、お客様の要望に沿ったオリジナル性あふれるパンを作ること。
商品計画においてはこのポイントをしっかりと踏まえて進めましょう。

仕入先選定

パンの仕上がりは、仕入れる材料に大きく左右されます。

安い材料を仕入れられれば、利益は多くなりますが、その分品質を落としてしまうことになりかねません。
安くて品質の良いものを仕入れることが一番望ましいのですが、値段と品質とは比例していることが多い為、それを探すのは至難の業です。

まず、材料仕入先の情報収集をすることから始めましょう。
問屋さんは数多くあり、取扱商品や値段もそれぞれです。
自分の納得できる品質・値段の材料を提供してくれる問屋さんを探すことは、パン屋を長く続けるにあたって非常に重要なポイントです。

一から情報収集を行うのは難しい為、実際にパン屋に弟子入りするなど、働いてみると問屋さんとつながりを持つことが可能な場合もあります。

また、気になるパン屋の仕入れ先を参考にしてみるのもよいでしょう。

まとまった金額を定期的に発注してくれる取引先は、問屋にとっても優良顧客ですので、信頼関係が築きやすくなるでしょう。
また、あまりにも多い問屋と細かな取引をしていると、なかなか信頼関係が築けません。

問屋とは長い付き合いになることを見据え、良い信頼関係を築けるように取引を行うのも、良い材料を仕入れるうえでは大切なポイントなのです。