ここまでしっかりとパンの基礎知識について学んできましたが、いかがだったでしょうか。
講座を受講する前よりもはるかに多くのパン知識が習得できていることと思います。
このセクションでは、知る人ぞ知るパンの様々な豆知識をご紹介します。
世界最古のパンって?
今では世界中で様々な形のパンが愛されていますが、パンの起源とは果たしてどのようなものなのでしょうか。
人類が初めて口にした穀物は小麦であると推測されています。
紀元前7000年以前のメソポタミア地域では小麦をお粥にして食していたと考えられています。
その後、紀元前4000年ごろのエジプトでは、小麦を粉にして煎餅やビールを製造するようになりました。
そのビールからできた発酵種を、小麦粉に混ぜて焼くようになったものがパンの起源であると考えられています。
これはガレットと呼ばれ、平たい形をしていました。
実際に発見されているものの中で最古のパンは、スイスで発掘された丸形のパンです。
これは紀元前3500年ごろに食されていたものと考えられており、少なくとも今から5500年くらい前には、すでにパンのようなものが食されていたということがわかっています。
フランスパンの大きさ

フランスパンと一言にいっても、大きさや形はさまざまです。
バゲットは細く長い形をしていますが、小さいサイズのものも多く存在します。
なぜ、生地は同じものなのに大きさを変える必要があるのでしょうか?
その理由は、クラストとクラムの割合の違いにあるのです。
クラストとは、パンの外側のパリパリした部分、クラムとはパンの内側のモチモチとした部分を指します。
大きさを変えることで、クラストとクラムの割合が変化し、食べたときの感じ方が変わってくるのです。
これは、人それぞれ感じ方が異なりますので、目に見える形では表現しづらいのですが、一般的に小さいパンはぎゅっと中身が詰まってモチモチとした食感に、大きなパンはたくさんの空気を含むためふわふわの食感になるといわれています。
アンパンの中の空洞

アンパンの中身を割ると、餡と生地の間に少し空洞があるのを知っていますか?
もっと餡をたくさん詰めてほしい!
そんな風に思う方もいるかと思いますが、実はこれ、おいしいアンパンの証拠なんですよ。
アンパンは、一次発酵とベンチタイムを経た生地で餡を包みます。
その後最終発酵へ移るのですが、その際に生地だけが膨張して、焼いている間も生地が伸びます。
その際に餡の中の水分が蒸発することで、生地の上部が持ち上げられ、あの空洞ができるのです。
この現象は、餡と生地の割合が適度に保たれているときに生じる現象で、どちらかがアンバランスだと空洞は生まれません。
ですから、おいしいアンパンには空洞ができているのです。